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IBMについて
コンピューター業界の雄と呼ばれる所以は、コンピューター産業の黎明期にさかのぼり、名機を多数開発してきたことであり、現在のマイクロソフトなどと並んでコンピュータ・パソコン業界を引っ張ってきた、業界のリーダー的存在であることは、現在も変わっていません。
IBMはコンピュータ関連事業で受け取った収益は非常に高い額になるもので、その豊富な収益に裏付けられる資金力を背景にして、基礎科学分野にも力を入れています。
その成果は、アメリカ国内での特許の取得件数にも表れており、2007年現在ではその件数において14年連続No,1であり、またIBM傘下にある「ワトソン研究所」や「チューリッヒ研究所」などの研究機関からは、ノーベル賞受賞者を輩出しています。
IBMの企業製品や、ロゴの色のイメージなどから、アメリカではこの企業イメージを「Big Blue」という愛称で呼ばれており、親しまれています。これに由来して、IBMの企画したプロジェクトの多くに「ブルー(青)」を頭につけた名称のものとなっています。TVCMも、画面上下に青い帯があるのは、世界的に統一されているもので、IBMのブルーというイメージを知らせるのに大きな役割を果たしています。
反面、日本に比べて奔放なイメージのあるアメリカにおいてもIBMの社風は保守的であることも知られています。(その制服もブルースーツ。)
そのIBM関係の日本における展開については、日本アイ・ビー・エム株式会社を核にして、複数の事業所・各地の企業と合弁で設立したシステム会社などで構成されております。
日本アイ・ビー・エムは、アメリカ系企業でありながら、その前身から数えて70周年を迎えた古くからの日本における企業であり、日本独自の商品展開などもあります。
(一般向けでいうと、ホームページ・ビルダーの開発など)
IBM PC
そのIBMの歴史において、コンピュータ・パソコン事業は外せないものであり、
それ以前からも数々の成功を収めてはいたものの、その中でも最大級にヒットしたものが、
IBM PCではないでしょうか。
当初は、個人向けパソコン市場において出遅れていたIBMの商品でしたが、それが市場で絶大な人気を博するものとなりました。
そのIBM PC(IBMパーソナルコンピュータ)は、IBM PC互換機のオリジナルであり元祖的な存在。IBMにおけるこのモデルのナンバーを5150といいます。
1981年に発売されたこのパソコンは、フロリダ州のあるIBMエントリーシステム部門の社員:ドン・エストリッジが陣頭指揮に立って開発したモデルで、彼と、彼の部下であるエンジニアとデザイナで構成されたチームによって開発されたものです。
”パソコン”の語源となる「パーソナルコンピュータ」という用語は、このIBM PC互換機に対する名称として世間に認知されていったのですが、実は1981年の時点ですでに一般的に普及していたものです。1972年頃から使われてはいたものの、IBM PCの成功により、この「パソコン」という名称は、IBM PC互換機を指している一般的な用語となりました。
IBMの開発したPC/AT互換機の元祖である5170は、「IBM PC互換機」「DOS/V」「Windowsマシン」を表す用語の元となったパソコンで、その基本的な仕様は、現在までに続くパソコンの事実上の標準となりました。
この製品のキラーアプリケーションとして、表計算ソフトであるLotus1-2-3の存在、拡張性のあるアドオンや機能などが受けて、このPC/AT互換機が爆発的に普及していきました。
また、BIOSやハードウェアの共通化が容易なため、PC/ATの仕様公開以後には、
多くの互換機メーカーや、台湾などを中心とした部品メーカーが登場し、
メーカー同士の競争によるコストダウンが進んだ結果、事実上のパソコン業界の標準仕様の地位を築く事に成功しました。
この用に、PC/AT互換機のヒットがもたらした結果として、この規格に基づいて設計されたPCの部品は、その規格内で設計された部品同士の組み合わせに関して暗黙の保証を与えることとなり、個人でも、容易にコンピュータを組み立てられるようになったため、大企業ばかりでなく、小規模の零細PCメーカーの存在までがあり、果ては個人でもパソコンを組む趣味が流行るまでとなりました(自作パソコン)
以上のように、IBM PCの功績はパソコンにとって、大きな功績を残すことに成功しました。
ThinkPad
そのパソコン業界で標準の仕様となる元を作ったIBM PCを生み出したIBMが作り上げた有名なノートパソコン・ブランドがThinkPad(シンクパッド)です。
1992年に発表になったこのノートパソコンは高機能であることが追求され、
開発時から、数々の特徴を持たせることとなりました。
まず「数値的な性能よりも、実用的な性能を向上させることに特化させる」こと。
「タイピングに妥協の無い作りであること(コンピューティングの根幹であるという位置づけ)」
「基本性能に忠実で、余計なハードウェア・ソフトウェアを極力排すること」
「アフターサービスや保険などを効率的に受けることが出来る、利便性を重視したサポート体制」
「パワーユーザーへ配慮として、部品単品の注文が可能である」
などの項目を重点的において、実用・ユーザー主義で、基本的な「パソコン」としての機能を追求した作りであることから、そのユーザー主義な作りのおかげでユーザーからの信頼をも勝ち取ることができました。(高級ビジネスツールとしての地位も確立。
その外観的は、黒いつや消しのボディに、
パソコンのキーボード中央に配された、赤く丸いカタチの「トラックポイント」と呼ばれるポインティングデバイスが特徴。
なお、つや消しの黒いボディを採用するきっかけの一つには、IBM大和事業所(ThinkPadの開発の中心的な役割を果たしてきた事業所。世界的に有名)の職員が考案した「弁当箱」をコンセプトにしたデザインとなったのが、ThinkPadのデザインモチーフとなったものだそう。
ちなみに、その関係者がアメリカで出版した書物には、“Japanese Bento Box”として紹介されているそうです。
上記でも扱った特徴的なキーボード上にある赤い「トラックポイント」でありますが、
元々この機能は、無重力の宇宙空間で使用するのにマウスでは扱いにくいことから、代替のポインティングデバイスをNASAがIBM要望した事から開発されたとの説もあるとのこと。
このように、マウスを使えない環境でもポインティング操作を可能にする技術が必要とされたために開発されたポインティングスティックとのことです。
ちなみに、IBMではこのポインティングデバイスの完成をもって、ThinkPad誕生の瞬間としています。
パソコンのキーボードを打つ両手の位置から手をわざわざ移動させなくてもよいという点において、ヘビーユーザーからの支持を受けているという機能なのですが、
現在は利便性が大きく改良されてきたタッチパネル式が普及してきていることもあり、、ThinkPadにおいても、タッチパネルとトラックポイントが同時に搭載されているような機種も登場してきました。
IBMが培ってきた高い信頼性や、充実したサポートで、プロフェッショナルの現場で高い人気を博してきたThinkPadですが
2004年、中国のパソコンメーカーLenovo(レノボ)にThinkPad含む、IBMのパソコン事業を売却。現在ThinkPadはこれまでの利点を生かしつつ、レノボによる開発と販売が行われています。買収直後はIBMブランドとのダブルネームによる販売でしたが、現在はレノボ単独ブランドによる販売となっています。
(購入後のパソコンのサポートは、全世界において、現在でもレノボの委託を受ける形でIBMが引き続き行っています。開発拠点も、引き続き日本IBM大和事業所内のレノボ・ジャパンの拠点内で開発。)
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最終更新日:2021/4/22
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